日本株は買わないが、日本企業に興味あり

 

社長争奪 ―世襲・派閥・策謀

社長争奪 ―世襲・派閥・策謀

 

 

こんにちは、チャーリーです。私は今でこそ米国株を主体に投資を行っていますが、かつては日本株投資一本でした。そのせいもあるのかもしれませんが、日本の企業の内情について、とても興味があります。

特に、社長を含む経営陣の派閥争いは、その企業の商品を買っていたり、サービスを受けた経験がある企業の場合、とりわけ関心が高くなります。下手な小説を読むくらいなら、そうしたノンフィクションのほうが手に汗握る展開がよほど多い気がします。

それにしても社長業というのはつくづく大変な稼業だと思います。日本で有名なメーカー、仮にP社としておきましょうか。P社のO社長がある経済誌の中表紙を飾ったことがあります。その社長の姿を見てびっくりしました。その写真は就任してから何年かの歳月がたった時のものと思いますが、就任早々の生き生きとした顔つきからは遠く離れた疲れた表情というのも当たっていない、何か凄惨な顔つきといった様子で写っていました。p社は創業家と創業家を排除したい勢力が常に争っている社風です。そうした修羅場のなかで、あの元気そうな社長がここまで傷んでしまうのかと思うと恐ろしい気持ちがしたし、どれだけ報酬があろうとどれだけ名誉があろうとも、社長なんて御免被る、個人投資家で生きていきたい(笑)とつくずく思ったものです。

上記で紹介した著書は、こうした社長の派閥争いに焦点を当てたノンフィクションです。著者の有森氏は企業関連のノンフィクションを多数手がけているライターです。有森氏の優れたところは、企業のなかの生々しい人間関係を描くスキルに加え、該当企業の経営状況をBS、PLを交え数字で分かりやすく記述してくれるところです。社内のゴタゴタが、いかにして企業の経営状況を悪化させていくかが、ドラマを見るように明確に理解できます。第一章は大塚家の骨肉の父・娘の争いをテーマにした大塚家具についてです。大塚家具のおかれた現況がどういう経緯で生まれたか、とてもよくわかりました。まだ一章のみの購読ですが、このあとNEC、野村證券、三越伊勢丹、クックパッドなど話題の企業が登場するようです。投資家にはお薦めの書籍だと思います。

 

  

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