大塚家具の「岐路」はどこにあったのか

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こんにちは、チャーリーです。

本日の日経新聞朝刊に下記の大塚家具の見出しが出ていました。

「再建途中、代われない」大塚家具社長 増資で38億円調達

経営再建を目指す大塚家具の大塚久美子社長は15日、日本経済新聞などの取材に応じ、「途中で代わることはできない」と続投する意向を示した。同日発表した2018年12月期の単独決算では3期連続の最終赤字となり経営責任を問う声もあるが「会社を立ち直らせて成長まで持っていくことが本質的な責任」と話した。(中略)

(取引先の企業連合と米投資ファンドからの資金調達やヤマダ電機との業務提携など)資本業務提携の発表を受け、同日の株価は一時制限値幅の下限(ストップ安水準)となる前日比80円(17%)安の380円を付けた。約1ヵ月ぶりの安値水準となった。増資による1株あたりの価値の希薄化などを懸念した売りが膨らんだ。終値は72円(16%)安の388円だった。

大塚家具の迷走が続いています。マスコミなどでは久美子社長の「失政」に非難を浴びせていますが、ひとつ考えておかなければならないことがあります。父娘の争点のポイントであった家具市場の変化への選択肢として大塚家具がどう対応すべきだったのかということです。

大塚親子が対立していた争点として、父は今後も高所得者に限定した高級路線の維持を主張し、娘はイケアやニトリ等を競合に見立てた上で一般客への安価政策への舵切りを主張。安売りのニトリ等とガチンコで戦う娘路線はどう考えても無理があったと思います。では父の高級路線はどうか。これは今までの大塚家具が築いてきた販促スキル等の強みを生かすにはこの路線の維持しか選択肢がなかったと思います。但し、そこには制約ポイントがあって多店舗の拡大戦略や店舗当たりの増床など成長志向を一切止めることが必須だと思う。

今度別の記事でコメントしたいと思っているのですが、「いきなりステーキ」の米国での成長戦略が挫折したとの記事がマスコミで取り上げられていますが、どうしても日本では拡大戦略は企業にとって最善の策であり、売上規模の維持戦略は消極的、覇気がないとマイナス評価を受けてしまいます。人間は生きている限り成長しなくてはならない、何もせず現状維持なの怠惰の証である。こうした人生観がそのまま企業の戦略の方向性にも影響されてしまうのです。

私の想定した方向性は下記です。大塚家具は安売りとの競合を避け高級路線を維持すること、但し成長路線は一切諦め既存の本店を主体としてお金持ちへの対面販売に集中していく。後出しジャンケンで恐縮ですが、これが大塚家具の進むべき道だったように思います。

上記のような家具業界の大きな流れのなかでの戦略の舵取りを久美子社長に全ての責を負わせるのは酷だと思いますが、ただ一つ株主の好感を得るための配当金の増額だけはまずかった。配当金の出す出さないは企業トップが決められるいわば特権です。配当金の出し過ぎでキャッシュフローを枯渇させたのが今回の増資(トラブル)の真因だと思います。

 

 

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